2011年 01月 10日
天平時代小説(その2)『陰陽魔界伝』 |
次に紹介する天平時代の小説は、藤巻一保の『陰陽魔界伝』(2001年)とその続編『陰陽魔界伝~弓削道鏡篇~』(2001年)。著者は、陰陽道をはじめとする神秘主義宗教に造詣の深い文筆家だそうです。時代的に見て、『陰陽師』の安倍晴明ブームに乗って出た作品のよう。とはいえ、単なるお手軽な便乗商品ではない証拠に、晴明の活躍した平安時代よりはるかに古い奈良時代の吉備真備を主人公に持ってくるというマニアックさ!さすがは専門家らしい目の付けどころです。真備は、唐から我が国に初めて陰陽道を伝えたとも言われており、神秘的なエピソードもたくさんあります。いわば日本の陰陽道の先駆者(あくまで伝説の上でですが)。
その真備が、日本国に祟りをなそうとする長屋王(真備の留学中に、藤原氏の陰謀で殺された有力皇族)の怨霊と壮大な闘いを繰り広げる、という大河小説です。てっきり読み切りの小説と思って第1巻を読んでいたら、完結せず、あわてて第2巻の存在を探し出しました。第2巻を読み進めるうちに、主人公・真備も70代になりそろそろ完結かと思いきや、何と「第三巻につづく」だって~!でも、第3巻ないんですよ~。売れ行きが芳しくなかったのか、打ち切りらしい。わ~ん、いいとこだったのに、どうしてくれるんだ~!
怨霊や陰陽術の描写に主力が置かれているので、内面的な人物描写はそれほど凝ったものではありませんが、作者の人柄なのでしょうか、主要な登場人物がおしなべてどこかしら好人物に描かれていて、ドロドロした怨霊の世界を描いているわりには(怖い場面・気色悪い場面多々あるにもかかわらず!)、爽やかな(?)読み心地でした。なぜか大阪弁をしゃべる玄昉は、野心に駆られそして破滅していくという筋書きは定説通りなのに、どこか憎めない感じ。美男で秀才で性格も良いというデキスギくんみたいな阿倍仲麻呂と真備の長きに渡る友情なども心温まります。
怨霊ものでなごんじゃっていいのか・・・という疑問もありますが、マニアックな娯楽小説としては良くできていると思う。続きが読みたいです。


その真備が、日本国に祟りをなそうとする長屋王(真備の留学中に、藤原氏の陰謀で殺された有力皇族)の怨霊と壮大な闘いを繰り広げる、という大河小説です。てっきり読み切りの小説と思って第1巻を読んでいたら、完結せず、あわてて第2巻の存在を探し出しました。第2巻を読み進めるうちに、主人公・真備も70代になりそろそろ完結かと思いきや、何と「第三巻につづく」だって~!でも、第3巻ないんですよ~。売れ行きが芳しくなかったのか、打ち切りらしい。わ~ん、いいとこだったのに、どうしてくれるんだ~!
怨霊や陰陽術の描写に主力が置かれているので、内面的な人物描写はそれほど凝ったものではありませんが、作者の人柄なのでしょうか、主要な登場人物がおしなべてどこかしら好人物に描かれていて、ドロドロした怨霊の世界を描いているわりには(怖い場面・気色悪い場面多々あるにもかかわらず!)、爽やかな(?)読み心地でした。なぜか大阪弁をしゃべる玄昉は、野心に駆られそして破滅していくという筋書きは定説通りなのに、どこか憎めない感じ。美男で秀才で性格も良いというデキスギくんみたいな阿倍仲麻呂と真備の長きに渡る友情なども心温まります。
怨霊ものでなごんじゃっていいのか・・・という疑問もありますが、マニアックな娯楽小説としては良くできていると思う。続きが読みたいです。


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by machiarukinote
| 2011-01-10 00:05
| 読書など
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