2022年 05月 09日
瀬戸の街 詳細まち歩き① 土手筋商店街 |
GW終盤に瀬戸(岡山市東区瀬戸町瀬戸~下)に行ってきました。『街歩きノオト』第24号の取材では3回訪れましたが、4回目の今回は、取材でお世話になった旧高原写真館の奥様に第24号完成のご報告と御礼を伝えるため。本号のテーマである橋や道の情報を直接教示いただいたわけではないものの、瀬戸の商店街について丁寧に教えてくださり、この街のかつての繁栄をぜひ伝え広めて欲しい、と熱心に話されていたので・・・。
長屋は改装されていると思うので、当初の8店舗の区切りや配置はよく分かりません。1985年当時まだ営業中と書かれている「木庭洋品店」だけは、装飾テントの文字からこの部分と確認できます。
特にアポを取っていたわけではありませんが、無事お会いできて24号をお渡しできました。
一見地味な瀬戸の街は予想以上のレトロの宝庫で、訪れるたびに発見があります。橋と道を扱った第24号では、スペースの都合もあって瀬戸の街並みについてはあまり載せられませんでした。その代わりと言ってはなんですが、瀬戸の街で見聞きしたことを忘れないうちにこのブログに書いておきます。初回の訪問後にもこのブログでレポートしましたが(→コチラ)、その後もっと詳しく分かったこと、改めて気付いたことも多々ありますし。
【土手筋商店街】
旧西大寺往来が「七曲り」から砂川の土手に出た部分に連なる商店街。位置は下の地図でご確認ください。
『瀬戸町史』(1985年)によると、「大正11年(1922年)商業を営んでいた八人が合議の上協同して、間口が一軒当たり四間の一棟八軒分の家を土手筋の東側に石田辰太郎によって建てた。南から化粧品店・洋品店・印刷書籍店・散髪店・仕立店・小間物下駄店・呉服店・時計店の八店であった。当時からの商店で現在(=1985年当時)営業しているのは精文堂百貨店と木庭洋品店のみであって、精文堂書籍店は移転して本宅だけ残っている。この八店ができてからしだいに商店が増えて、一連の土手筋商店街が形成されるようになる。」だそうです。
国土地理院の空中写真閲覧サービスで終戦直後の航空写真を見てみると、確かにこの場所に同様の長屋が写っています。1985年の町史は建て替えに言及しておらず、古色蒼然たる現状から見ても、その後改築されたとも思えないので、現存の建物はおおむね創建当時のもののようです。改修は重ねられているとは思いますが…。特に、南寄りの2店舗分は、屋根瓦が明らかに新しく、大幅な改修があったように見えます。
間口4間×8店舗から概算して、建物の長さは60m弱とみられるので、屋根瓦が新しい2店舗分も含めて、特徴的な看板建築店舗の手前までの一つながりがこの長屋状共同店舗「土手筋商店」と推定されます。
長屋は改装されていると思うので、当初の8店舗の区切りや配置はよく分かりません。1985年当時まだ営業中と書かれている「木庭洋品店」だけは、装飾テントの文字からこの部分と確認できます。
↓ 「土手筋商店」長屋の北寄り部分。こちら側の区画は、
2回目の瀬戸訪問の際に土手筋を再度じっくり見ていたら、居合わせた地元の人が、「昔は向かいの川岸のほうにも商店が連なっていたんだよ」と教えてくれました。砂川の堤防改修と道路拡幅の工事で、その家並みは消滅したのだそうです。航空写真で確認すると・・・
砂川堤防のこの部分の改修は1990年代後半に行われたようです。平成になってもまだ残っていたとは! 現状だと、交通量の多い幅広の幹線道路の片側に100mほど、唐突に一列だけ、見るからに古そうな元店舗が並んでいるという謎シチュエーションですが、道(当時はいまほど幅広ではなかった)の両側に店舗があったとすれば、土手筋「商店街」の名称も不自然ではなかったわけですね。
2回目の訪問では、この後ふと思い付いて、長屋の裏側へ…。一筋東を通る裏道に廻ってみると、手前に建つ別の住宅の隙間や空地越しに長屋の裏側を眺めることができました。見事なつぎはぎテイスト! 恐らく各商店がてんでに建て増したのでしょう。
表側は2階建てだけど、裏から見ると3階建て。これは、土手筋がまさに土手状になっていて、裏側の土地が低いためです。旭川旧堤防の土手道である「津山往来」沿いに建つ、出石町~番町(岡山市北区)の家並みみたいな具合ですね。
さて、「土手筋商店」長屋の裏側を眺めながら南に進んだところで、ちょっと気になる家屋に目が留まりました。きれいに化粧されているので一見新しい住宅に見えますが、よく見るとレトロ洋館風。外壁や軒裏が板張りです。側面の窓枠は木製。2階屋上にパラペット(手すり壁)みたいなものが付いているのもそれっぽい。そしてここは、あの看板建築(土手筋商店南隣の建物)のまさに裏側なのです。さらに観察してみると、あの看板建築とこの洋館風建物は繋がっているように見えます。看板建築店舗の住居部分でしょうか。気になります。
土手筋商店街の話題だけでそこそこの長さになったので、一旦ここで区切ります。続きは次回。
by machiarukinote
| 2022-05-09 15:58
| 街歩きレポート
|
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