郡(岡山市南区)の祭りを見てきました!(その2) |
郡「総社」の秋祭りの見ものは市重文のだんじりだけかと思ったら、さにあらず。神輿も獅子舞もお囃子もとっても見応えあります。午前中は青年団による神輿とお囃子だったようで、私が駆け付けた時は、ちょうど一団が町内巡回から「お旅所」に戻ってきたところでした。「お旅所」は郡のメインストリート「郡銀座」の東端、三蔵院というお寺の脇の広い空き地に設えられています。さすがにここは、子供たちをはじめ多くの地元民で賑わっていました。
写真を撮っていると、いかにも余所者ふうに見えたのか、小学3・4年生くらいの女の子が、「(被写体として)素敵ですか?」と声を掛けてきました。なので、若い人も頑張っていますね、などと返したら、青年団といって、高校3年生から30歳未満の人たちだと教えてくれました。それ以上の年齢の人は壮年団で、また別に出番があるそうです。普段外の地域に出ている若い人たちも、祭りの日にはこのために帰ってくるとのこと。そして、「この町の人たちは皆、団結してるんです。」と、子供らしい素直さできっぱり。いや~、清々しい。いつも大人の人にそう言われて育っているのかな。今どきの日本にこんな健全な感覚が生きているとは!
↓ 青年団による神輿のお旅所入り。BGMのお囃子も青年団による生演奏。
左端に写っている、榊で清め水を撒くおじさんがノリノリで印象的でした。
エンドレスで鳴り響くお囃子は、もちろんテープなどではなく生演奏。茶髪やロン毛の若者も、こぞって難なく演奏をこなしています。あとで聞いたところによると、8月あたりからずっと練習を重ねてきたそう。感心していたら、午後の壮年団による神輿やお囃子はもっと年季がはいっていて迫力あるよ、とのこと。そうなんだ~。
お旅所にはこのような獅子頭も安置されていて、これらが午後の獅子舞で使われるものらしい。獅子舞は3時からということなので、しばらく町の写真を撮ったり、『ノオト』で取材させてもらったカフェ「manis*manis」で昼食を取ったりして過ごしました。
さて、午後3時に近くなったのでお旅所に行ってみると、先ほどよりもっと大勢の人が集まっています。といっても観光地の有名祭りのような押し合いへし合いではないのがありがたい。お囃子の生演奏にのって、まずはじめに黒(濃緑)の獅子、次にと赤の獅子が一通り舞います。一つの獅子には3人が入っていて(6本足!)、大きな激しい動きと見栄を切る動作との緩慢メリハリある所作を見せます。時にはダッシュで走ったりも。舞の最初の方では金色の袴をはいた人が先頭なのですが、途中で交代して(獅子の胴の布の中で入れ替わる)後ろ足だった人が後半は先頭を務めるのが面白い。それに合わせ、前半は見栄を切る動作が中心、後半は激しい動きが中心という振付になっているようです。
順番に舞い終えると獅子2頭は、今度は広場を出て周囲の観客たちの間に乱入し、噛みつきタイムに突入。獅子に頭を噛まれると健康や幸運が得られるということで、主に子供たちが我勝ちに頭を差し出します。小さな子供たちは親に抱っこされて獅子の前へ。でも、怖がって泣く子続出。いや~、いかにも祭りらしいカオス状態ですな~。大人もOKなようで、私も近くで見ていたら噛んでもらえました。いいことあるかな?
一通りこれが済むと、2頭揃って広場に戻り、いよいよフィナーレのパフォーマンス。2頭が向き合い、それぞれ頭担当の人が前足担当者に高々と肩車された体勢で、獅子頭の口から腕を出してがっちり握手(3人がかりの獅子ならではの技ですね!)。こういう獅子舞の演技、初めて見ました。感動~!
終了後、獅子を脱いで記念撮影のため勢揃いした6人を目にしましたが、みな20代半ばくらいの若い人でした。そりゃあ、若くなくちゃできないよね。以前見に行った、鳥取市賀露港の「ホーエンヤ祭り」でも若者たちが大活躍だったけど、若い人が頑張っている祭りは本当に見てて気持ちいいです。そういえば、郡も港町。港町には活気ある祭りがしっかり受け継がれるのかな。
獅子舞の間ずっと続いていたお囃子は、その後も一段とテンポをアップしてにぎやかに続きます。獅子舞に気を取られていましたが、見れば午前中より年かさの人たちが演奏しています。これが壮年団ですね。壮年といっても中心は30~40代くらいの人たちのようで、高齢化が一般的な今どきのお祭りに比べれば平均年齢は若そう。先ほどの青年団のお囃子だってなかなかのものと感じていたけど、こちらを聞いてしまうと、差は歴然です。こっちは気合が入っていて、ノリが違いますね。体全体でリズムを取る大太鼓担当のシニアの方(70歳くらい?)のいいノリっぷりには思わず見とれました。
お旅所の仮宮には、今日の昼過ぎに青年団によって担ぎ込まれた神輿が安置されていましたが、ここで神輿は再び壮年団によって担ぎ出されます。既に時刻は夕方4時をとうに過ぎているというのに、これからまたひとしきり神輿を担いで町内を練り歩くらしい。
本当に朝から晩まで長丁場の祭りなんですね。ちなみに、私が昼食を食べに行っていた時分には、子供たちによる花みこしもあったようです。だんじりの出番はあともう少しなんだろうか、と思い、地元の人たちに聞いてみると、なんとまだまだ先の7時8時になるとのこと。たしかに貼り紙によると、だんじり宮入は午後11時となっているので、そんな時間配分なんでしょうね。
せっかくここまで付き合ったのだから、最後までは無理としても、だんじりが出発するところくらいは見ていくべきか・・・と、迷いに迷いました。しかし、バスで訪れている身。 バスは22時頃まではありますが、もう1本乗り換えて自宅に向かうことを考えると、そうとう遅くなりそう。しかも、そんなに遅くなることは想定して出てきていないし・・・。ということで、泣く泣く後ろ髪を引かれつつ、17時台のバスで帰りました。
中途半端な祭りレポートで済みません。肝心の、だんじりが郡の街を引かれていく様子は見ずに帰りました(泣)。来年、今度は初めから夜を目指して訪問するつもりです。一度に欲張らず、次に楽しみを残しておくのも悪くないかも・・・。帰り際にもう一度総社を覘いてみたら、石段脇に提灯が灯っていい風情でした。だんじりの提灯にも明かりが灯る様子を見てみたいな~。来年こそ!
↓ ちなみに、郡・総社の祭りを知らせるポスター。こんな立派なカラーのポスターを毎年作っているんだ!気合入っていますね。そのわりには、外部にはあまり宣伝されていないようだけど。この祭り進行表を見て、来年の訪問の段取りをじっくり練りましょう!
(※このポスターによると、事前に私が「総社の連絡先」に電話して聞いた情報は微妙に間違っているようです。中日の早朝にお宮を出て深夜に戻るのは神輿のほうですね。だんじりは初日と中日それぞれの夜だけ登場するようです。)
来年こそ2018年はもう一度この祭りを是非見に来てください‼︎
お待ちしております
先日、『イチョウ並木の本まつり』にお出で下さった郡出身という女性のお客さんが、この祭りレポートのブログ記事もしっかり読みましたよ、と伝えてくれました。それで、郡の皆さんの熱い心意気を思い出し、来年こそはまたお祭りを見に行こう!と思っていたところです。ぜひ伺います!よろしくお願いします。
確かに台風が心配ですね。その週末は色々細かな用事があるのですが、だんじりの出る夜の部だけでも見に行きたいと思っています。中日の午後6時くらいからでしたよね?
7日はぼぼ一日祭りをするようになってます!
明日の午前9時に各団体が集まって祭りをするか最終決定をするそうです。
酷くなければ祭りをするとは思いますが…