堪能!木簡ワークショップと天平バー |
フルコトさんは、古墳カレーなどの古墳カフェイベントの先駆者ですが、今年は天平時代のイベントがフィーチャーされています。これは絶対行かねば!今度こそ。(昨年は行けなかったので・・・。)
さてさて、まずは31日(金)の『木簡ワークショップ』に参加させていただきました。奈良時代の硯(円面で台脚が付いている)の複製品を使って墨をすり、実際に木簡に字を書いてみる、という催しです。神戸大学の先生によるスライドを使ったレクチャー(1時間)も付いています。しかも、天平時代の頭巾(男子の被り物)をアレンジした帽子(?)も用意されていて、これを被って奈良時代の官人になった気分で木簡に文字を書ける、というマニアックなイベントです。もう一種の天平イベント『天平バー』が連日大盛況なのとは対照的に、こちらは参加者少なめでフルコト内輪の関係者多数参加ということもあって、和気あいあい、自由な雰囲気で進行しました。
今後のイベント等で看板(表示)に使えるよう、私は、「おかやま街歩きノオト」と墨で記しました。久々の“お習字”、なかなかカッコよく書けませんねぇ。フルコト関係者で書家(?)の松石圭以さんが来場しておられ、見本として書かれた「和氣清麻呂」の文字が素敵だったので(←これはもちろん、金田あおいさんの分!)、私もずうずうしくお願いして「吉備真備」と書いていただきました。だから何なんだ、というアイテムですが、自己満足・・・。
金田さんの小学生のお子さんたちとダンナ様(プロの考古学専門家)も来ておられ、特に子どもたちによる“自由な”作品群(?)が傑作でした。かわらけ(素焼きの器)のカケラに描いた人面とか(人面墨書土器)。素朴でのびのびとしたタッチが本当に古代っぽい。それ、間違っても埋めるなよ、とお父さんに注意されていました~。
そして翌1日の夜は『天平バー』です。この催しは、5月26日(月)~28日(水)の3日間と、少し離れて6月1日(日)に開催されました。私は、木簡ワークショップと組み合わせて参加する都合で最終日訪問となりましたが、ラストデーというのと日曜日ということで、始まる前からメチャ混みの予想だとか。う~ん、仕方ない・・・。
これは、天平時代の復元食器で、その時代にあったと考えられる食材をおつまみに、天平時代にちなむ人名の日本酒を飲む、という催しです。かわらけの灯明とか、木簡型特製グリッシーニとか、パロディネタを盛り込んだコミック柄のペーパーランチョンマットとか、マニアックな小ネタも満載。上記の木簡ワークショップで使った被り物は、本来は「天平バー」で使うために用意したものということです。
最終日は本当にメチャ混みになり、急きょ立食パーティー形式になりました。入場制限も出るほどの押すな押すなぶり。金田さんはじめ「フルコト」メンバーも対応に大わらわで、『古墳カフェin吉備』での青山さんトーク会の時を思い出しましたわ。被り物は8個しか用意されていなかったので(8個も作ったこと自体すごいのに!)、当然全く行き渡らず・・・。木簡ワークショップの時、被っておいてよかった~。しかし、やはり男性が被ったほうが断然似合いますね! のりのりでポーズを取り、喜んで被写体になる方もおられました。
みんな本当に好きなんだな~!と実感。天平時代ネタで盛り上がれる人がこんなにもいようとは! さすが奈良。うらやましいです。来場者の多くは奈良県、大阪府など、近県からの方が多かったようです。岡山は天平文化が栄えた土地柄でもないし、これはちょっと真似するのは無理だなぁ。やっぱり岡山は古墳時代が似合うか・・・。
メチャ混みなため、来場者や「フルコト」メンバーと落ち着いて談笑するどころではなかったのですが、時間が経つにつれて少し混み方が緩和されてきたので、何人かの方々と話をすることができました。皆さん、本格的レベルの歴史関係者で驚きました。博物館などの研究員、歴史画専門の画家・・・etc. (もちろん普通の歴史ファンの方々も大勢おられましたが。) 桃太郎伝説に関する新説とか、三角縁神獣鏡チョコ作りの裏話とか、面白いお話をいろいろ聞かせていただきました。特に、神獣鏡チョコの第一人者である福井市立郷土歴史博物館の学芸員さんからは、お呼びが掛かれば、岡山にも出張ワークショップ行きますよ!と言っていただけました~。来年の『古墳カフェ』では、ぜひ!?
私は下戸なので残念ながらお酒は飲めなかったのですが、岡山からはこんな地酒がエントリー! 清酒「和気清麻呂」と「吉備真備」。岡山地元民でも知っている人は少ないのではないでしょうか。よく調べ出したな~、さすが! 他にも「小角」「不比等」「宮子姫」「氷高」「天平の甍」等々、ほぉ~!というラインナップです。
私の場合、清酒「和気清麻呂」は、昨年、後楽園外苑で岡山県各地域の物産展みたいなのをやっている時に見掛けて、初めて知りました。清酒「吉備真備」の存在も、やはり昨年、人に教えてもらって知りました。真備町の酒屋にずらっと並んでいるよ、と。が、その後真備町を訪ねたのがお正月時期だったので、見当を付けた酒屋はあいにく開いておらず実物は見れずじまい。ちなみにどちらも、ネット検索してみても製造元や販売店などの情報は一切出て来ません。そこで先日の倉敷美観地区での「真備・船穂Day」の際、真備町の物産販売や観光案内をするブースの人に尋ねてみたのですが、誰もそのお酒の存在を知らなかった!! 最近は金田一プッシュとはいえ、あんまりですね~。奈良の人が把握しているのに、地元の人たちが知らないなんて・・・(涙)。
古墳にコーフンな人たちが岡山にもどっさりいることは「古墳カフェ」をやってみて分かりましたが、天平マニアはどうかな? 地元、和気町や真備町で町興しをやっている人とか顕彰会をやっている人以外で、 ミーハーな乗りで好きな人は岡山にもいるのでしょうか? なんてこと言うとすぐ、「歴女ですね!」と返されるのですが(言うのは決まって年配男性)、う~ん、なんか微妙に違和感が・・・。歴女が悪いというわけではありませんがね。「フルコト」みたいに、サブカルとは別方面で、本格的にbut ミーハーなワクワク感も持ちつつ歴史で遊ぶ・歴史と遊ぶ、みたいな姿勢ってスゴイと思います。要はバランス感覚かな。
というわけで、なかなか他ではできない体験ができ、得るものも多くて楽しい奈良旅でした。「フルコト」の皆様、ありがとうございました。
↓ 会場のアイドルだった可愛い天平娘。
「フルコト」メンバー上村さんの1歳半のお嬢ちゃん。