新たな取り扱い店「ギャラリー&アトリエCoCo」 |
ギャラリー&アトリエCoCo(ココ)
岡山市北区出石町2-8-3
電話:080-3172-3774
営業時間:午前11時~午後7時
定休日:毎週月曜日と第2・第4火曜日
出石町といっても、後楽園・鶴見橋に近い「ピエニ」とか「富士商店」がある辺りではありません。新鶴見橋のある大通りを越えた北側です。しかも、裏路地。かなり分かりにくい所です。しかし、私にとってこの路地は以前からなぜかとても心惹かれる一画で、こちら方面に来る時はいつもわざわざこの路地を通ることにしているくらい。
下の写真がその路地です。道の両側と、T字路状になった突き当たり一帯に植え木がびっしり!勝手に「ジャングル路地」とか「植物だらけ路地」とかあだ名を付けていました。新鶴見橋西詰めをすぐ北に入る細い道です。新鶴大通りは車がガンガン行き交う幹線道路だし、津山往来(「油亀」がある道)も今やかなりの交通量ですが、そのすぐそばにこんな静かな異世界が…という感じ。
今回、出石界隈の街歩き講座を担当することになり、下見のために歩き回っていたところ、あの「ジャングル路地」で、鮮やかなクリームイエローに化粧直しされた家を発見!アトリエの看板が掛かっています。こんな地味な路地に店を構えるとは、なんと渋い!思わず立ち止り、窓に貼られた山陽新聞の切り抜き(この店を紹介したローカル記事)を読んでいたら、オーナーとおぼしき女性が「どうぞお上がりください。」と声を掛けてくれました。
この4月にオープンしたのだそうです。オーナーの都路(つじ)さんは倉敷育ちで、東京の美大に進学、そのまま東京でイラストレーターとして活動されていましたが、お家の事情もあり、日本画家であるご主人と共に岡山にUターン。仕事場兼作品展示の場を探していた時に「出石をどねぇんかする会」と偶然出会い、この家を紹介されたとのこと。
都路さんは、私が懇意にさせていただいている“アートな石けん作家”白神恭子さんのお友達だそうで、また、『街歩きノオト』を以前、岡山の街で購入したことがあるとのこと。そんなこんなで話がはずみ、お店に『街歩きノオト』を置いてくださることになりました。多謝!
この建物は築50~60年(終戦直後?)ということで、出石ではそう古い部類ではありませんが、それでもオープンまでの準備(改装)はいろいろ大変だったようです。数年前までご老人が一人住まいされていた家なので、水回りなどは現代的に改修されていたそうですが、なにせ元が古い民家なので、思いがけない構造があったりして面白かったとか。例えば、奥の棟の床がかさ上げされていて、縁の下が収納庫のようになっているのを発見、もぐりこんでみると、様々な生活雑貨が整然と収納されていて、思わずその一つ、草履を手に取ったら、その途端ボロボロと崩れ落ちた…そうです。ひぇ~っ、インディ・ジョーンズみたい!
この奥の棟(旭川の土手に面したほう)には屋根裏部屋もあって、窓もあり快適そうなので少し手を入れて利用しようか、とも考えているとか。見せていただきましたが、ハイジの部屋っぽくて素敵でしょう?と都路さん。ゲゲゲな部屋(座敷わらしがいそう?)という意見もあるそうですが。どっちにしても楽しそう。
オープン記念に約2カ月続いていた、オーナーゆかりの作家20数名の作品を一堂に会した展示会は一旦終了して、現在は常設的な展示しかありませんが、それでも十分興味深い内容でした。ご主人が手掛けた抽象画風の日本画(日本画の手法を用いた抽象画、と言った方がいいかな)、オーナーが作った天然石アクセサリーや鉱物コレクションなどなど。パワーストーン好きな人にもお勧め。といっても、オーナーはスピリチュアルな方面より理科的アプローチでの「石」好きのようでした。妖しいお店ではないですよ、と。外部講師による陶芸教室や、オーナーによる天然石アクセサリー教室も開いているそうです。
普通の民家の構えなので、はじめは少し入りづらいかもしれませんが、オーナー都路さんは明るくて話好きな方。「ジャングル路地」を探検しがてら、気軽にのぞいてみてください。クリームイエローの壁が目印です。