知らなかったぁ~!3連発 |
今朝も『山陽新聞』一面のコラム「滴一滴」を見てビックリ! それによると、私の大好きな「吉備大臣入唐絵巻」全巻が今日本で公開されているとか。東京国立博物館の特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」の中で、です。一昨年の奈良国立博物館での展示(第1巻・第4巻のみ)を見逃している私にとって、またとないチャンス! でも、実はほんの少し前に東京から帰って来たばかりだったのです。3月21日~23日という短い日程でしたが、家族の用事で帰省していました。なんだよ~、知っていたら無理してでも見てきたのに~! 気になるのは展覧会の日程です。すぐにネットで調べたら、3月20日から6月10日まででした。よかった!5月末に東京に行く予定があるので、ぎりぎり間に合います。胸をなで下ろしました。
2月末にもやはり短く上京しているので、そういえば「ボストン美術館」展の情報はどこかで見たような…。その時、ボストン美術館と聞いて一瞬「吉備大臣~」のことが頭をよぎりましたが、この2月~3月は『街歩きノオト』作りのことなどもあってあれこれ忙しく、気持ちに余裕もなくて、それきり忘れていました。それに、「吉備大臣~」は、奈良での展示の時は展覧会の目玉扱いでしたが、今回の東博での展覧会では、出展作品の一つに過ぎず、特に大きな扱いを受けていないようです。これじゃ、もしチラッとポスターや記事なぞを見かけたとしても、気付かないかも…。教えてくれた「滴一滴」に感謝です。マキビ・ファンとしては、新聞紙面で広く岡山の人々にこの絵巻の面白さを宣伝してくれたことにも感謝。あ~、見に行くのが待ち遠しいです。
もう一つのビックリは、エドガー・ライス・バローズの「火星シリーズ」の映画化。映画ファン・SFファンの間ではだいぶ前から知られていたようなのですが、私はほんの2~3日前に、ネットでこの映画の宣伝記事を目にして初めて知りました。「サーク族」「タルス・タルカス」「ジョン・カーター」という文字と、薄緑色の肌をした異形の生物の写真を見て、おおっ!と色めき立ち、すぐに検索したら、やはりバローズの映画化でした。ディズニー製作の『ジョン・カーター』という作品。4月半ば公開だそうです。もうすぐじゃん!
バローズのSF(というかヒロイック・ファンタジー)は中学生前後の頃によく読みました。バローズは20世紀前半に活躍したアメリカのSF・冒険小説家で、密林の王者ターザンの生みの親として知られています。私が特に好きだったのは、「金星シリーズ」「火星シリーズ」といった宇宙(異世界)を舞台にした連作もの。今思えば「スターウォーズ」みたいな話です。ヒーローがいてお姫様がいて悪の帝王がいて…といったお話。荒唐無稽と言ってしまえばそれまでですが、奇想天外なストーリーがすごく巧くできていて、一旦ハマるとハラハラドキドキやめられなくなります。中学生の頃大ハマりで、お小遣いはたいて文庫本(創元推理文庫など)を次々買いまくりました。
あれが実写で映像化されるとは、どんな風に出来上がっているか、興味津々です。異形の人間(?生き物)がうじゃうじゃ出てくるようなお話なので、CGを駆使できる現代ならではの映画化と言えそうですね。絶世の美女なるヒロイン「デジャー・ソリス」はどんな女優がやるのか?公式宣伝サイトで見てみたら、知らない女優でしたが(最近の映画事情に疎い私には)、ちょっと見、まあ許せる範囲。さて、武部本一郎画伯のイラスト(挿絵)がすっかりインプットされている日本のバローズ・ファンたちにはどこまで受け入れられるかな?
私のバローズSFとの出会いは、小学生高学年の時、当時たぶん新刊だった「金星シリーズ」第4巻『金星の火の女神』をジャケ買いしたのが始まりです。古代風エキゾチック美女とライオンのような(架空の)猛獣があしらわれたミステリアスなイラストの表紙に釣られて…。このイラストの描き手こそ、この分野の挿絵画家として有名な(知る人ぞ知る!)武部本一郎氏だったのですね。表紙だけでなく、口絵や本文中の挿絵も素敵で、私がバローズものにハマった要因は、この絵の魅力も大きかったように思います。
アメリカ本国では、バローズの挿絵といえば、フランク・フラゼッタというイラストレーター(この人もこの分野では有名)が知られており、昔から画集(洋書)もいろいろ出ています。ペーパーバックの比較的安いものも…。それに対し、武部氏のイラストは、氏が亡くなった後の1980年代頃からようやく見直され始め、画集も出てきましたが、マニア向けですごく高かったように記憶しています。(ゆえに私は買っていません。)
今回、改めていろいろ調べていたら、東京の「弥生美術館」という小美術館で、2007年夏に武部氏の原画展覧会があったそうなのです。マニアの間では話題になっていたらしい。2007年といえばそんなに前じゃないではないですか。会期は7月から9月と結構長く、夏は必ず長めに帰省する私には、行くチャンスはいくらでもあったはず。これが3つ目の「知らなかったぁ~!」です。展覧会では絵葉書なども売られた模様。残念無念! これはもうとっくに過ぎてしまったので、どうしようもありませんが。